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皆さんこんにちは!
堀建設株式会社、更新担当の那須です。
本日は新シリーズ第2回「未来インフラ素材探訪」!
今回は「超伝導ケーブル」の仕組みと活用事例について詳しくご紹介します。
「超伝導ケーブル」とは、電気抵抗がゼロになる超伝導状態を利用し、大電流を損失なく送電できる次世代の送電素材です。従来の銅やアルミニウムケーブルでは送電ロスが避けられず、長距離送電や大容量化に課題がありました。しかし、超伝導ケーブルを用いれば、電力ロスをほぼゼロに抑え、送電効率を飛躍的に高めることが可能になります。
超伝導ケーブルの仕組み
超伝導ケーブルには大きく分けて2つの方式があります。
① 低温超伝導方式(LTS)
ニオブチタン(NbTi)やニオブスズ(Nb₃Sn)などの合金を冷却材(液体ヘリウム)で約4K(−269℃)まで冷却し、超伝導状態を実現。
メリット:実績が豊富で信頼性が高い
デメリット:冷却設備のランニングコストが高い
② 高温超伝導方式(HTS)
酸化物系セラミックス(YBCOなど)を液体窒素(77K/−196℃)で冷却し、比較的高温で超伝導状態に。
メリット:冷却コストが低減でき、メンテナンスが容易
デメリット:材料の製造コストが高く、脆弱性が課題
活用事例紹介
事例① 都市間長距離送電プロジェクト
ある大都市間を結ぶ送電実証実験では、HTSケーブルを採用。約50km区間で試験した結果、従来送電に比べて電力ロスを90%以上削減し、ピーク時の安定供給に成功しました。これにより、再生可能エネルギーの遠隔地導入が現実的に一歩前進しました。
事例② 超高電力データセンター内配線
大手データセンターでは、LTSケーブルを内部配線に導入。高密度サーバールームで発生する膨大な電力を損失なく供給できるため、空調負荷の低減と電力コスト削減を同時に達成。冷却システムとの連携で運用効率が大幅に向上しました。
導入時のポイントと課題
適切な冷却方式の選定
設置環境や運用コストを考慮し、LTSかHTSかを選択しましょう。都市部ではHTS、研究施設やデータセンターではLTSが適するケースが多いです。
冷却インフラの整備
冷却機器(冷凍機・タンク・配管)の設置スペースとメンテナンス計画を事前に検討。耐震・防火対策も忘れずに行いましょう。
長期信頼性評価
定期的な温度・電流監視センサーを導入し、超伝導状態の維持状況をリアルタイムで把握。トラブル発生時の迅速対応体制を構築することが重要です。
超伝導ケーブルは、電力インフラの脱炭素化と高効率化を同時に実現する革新的素材です。将来的には、スマートグリッドや海底ケーブル、宇宙エレベーターの送電にも応用が期待されています。未来のインフラを支える一翼として、超伝導技術をぜひご注目ください!
以上、新シリーズ第2回「未来インフラ素材探訪」でした!
次回は「自己発電コンクリートの可能性」をテーマに、振動や熱エネルギーを電力に変える最新素材をご紹介します。どうぞお楽しみに!
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