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第7回~安全・品質・工程・原価~

皆さんこんにちは!
堀建設株式会社、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~安全・品質・工程・原価~

 

土木工事は**SQCD(Safety/Quality/Cost/Delivery)**の総合格闘技。どれか一つでも崩れると、現場は必ず揺れます。本記事は、着工前〜引渡しまでの実務を“そのまま使える粒度”で整理しました。明日の朝礼からどうぞ。


1. 立上げ:着工前にやるべき8つ ✅

  1. 現地踏査(埋設物・法面・湧水・通学路)

  2. 近隣説明(工期・作業時間・騒音/振動・車両ルート)️

  3. 仮設計画(ヤード・仮囲い・動線・消火器・AED)

  4. 交通誘導計画(警察/道路管理者協議・片側交互・保安灯)

  5. 雨天対策(仮排水・濁水処理・土のう・ブルーシート)️

  6. 施工計画書(工程・手順・機械・要員・検査計画)

  7. 測量・基準点(BM設定・丁張・3D座標管理)

  8. 安全衛生計画(KYT・作業手順書・リスクアセスメント)


2. 毎朝5分:朝礼KYTの型 ️

  • 今日の作業場所・内容・重機

  • 危険ポイント3つ(挟まれ・転落・接触)

  • 対策3つ(立入区分・合図員配置・足場点検)

  • 指差呼称復唱(合図の統一)「右良し・左良し・上良し!」

事故ゼロは“儀式”で作る。小さな型の積み上げが最強です。


3. 土工:雨に負けない段取り ️→️

  • 土質と含水比を毎朝チェック(手揉み+簡易測定)

  • 切盛りバランス:運土距離と待ち時間を短縮する土取り計画

  • 転圧:層厚15–25cm×規定回数/ローラーの重ね幅1/3

  • 仮排水:集水→沈砂→放流の線を先行施工(濁水対策

  • 試験:砂置換・平板載荷・CBR・路盤E値(必要に応じ実施)


4. コンクリート工:不具合“ゼロ化”の勘所

  • 鉄筋:ピッチ・かぶり・定着長の相互確認/写真はスケール入り

  • 型枠:通り・水平・すき間・剛性(バイブの当て過ぎ注意)

  • 打設:受入でスランプ・空気量・温度/供試体採取

  • 振動:層ごと・規定秒数・重ね挿入/過振で離型水を出さない

  • 養生:湿潤・保温・転圧振動の近接回避/仕上げ前に白華リスク確認


5. 舗装:平坦性と強度を両立するコツ

  • 路盤:締固め度OK→路面散水で微粉固定

  • アス合材:温度・搬入時間を台帳化/敷均し→転圧は連携重視

  • 継目:カッター直線・目地乳剤・温間ジョイント処理

  • 確認:平坦性・厚さ・コア強度・密度/ライン引きは完全養生後


6. 品質・出来形・写真の“3点セット”

  • 出来形:基準幅・高さ・勾配→丁張/TS/3Dで記録

  • 品質:各種試験成績+是正履歴を1シート化

  • 写真:着手前・途中・完了を同アングルで/EXIF・位置情報も活用


7. 原価&工程の見える化

  • 出来高カーブ(Sカーブ)×実行予算を週次更新

  • 労務・重機の稼働率(待ち時間の見える化)

  • やり直し率(工数+材料)をゼロに近づけるPDCA

  • 外注管理:出来形合格率・事故ゼロ日数・納期遵守で評価


8. 近隣に“好かれる現場”の作り方

  • 定期広報:工程だより・夜間作業案内・QR問い合わせ窓口

  • 環境:散水・防塵ネット・低騒音機・夜間照度の向き調整

  • 防犯:仮囲い掲示・巡回・資材マーキング・監視灯


9. 竣工・引渡し:最後まで美しく

  • 清掃:仮設撤去・舗装切継の段差・縁石周りの土砂処理

  • 書類:出来形・品質・写真台帳・完成平面/縦横断・試験成績

  • 検査:関係者立会→指摘は当日中に是正計画提示


10. KPIダッシュボード(週次)

  • 労災・物損ゼロ日数

  • 出来形合格率一次合格率

  • 工期遵守率(クリティカル工程の遅延日数)

  • やり直し率(%)

  • 苦情件数即日回答率

  • CO₂原単位・燃料使用量(任意)

 

 

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第6回「経済的役割」

皆さんこんにちは!
堀建設株式会社、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~経済的役割~

ということで、土木工事が果たす経済的役割について、様々な視点から掘り下げていきます。

 

私たちの生活に密接に関わっているインフラストラクチャー。その多くは土木工事によって築かれています。道路、橋、ダム、上下水道、港湾など、これら社会基盤の整備は単なる「建設」にとどまらず、日本の経済活動全体に対して多大な影響を及ぼします。


1. 公共投資としての土木工事

土木工事の多くは公共事業として実施されます。これは政府による需要創出策として経済政策の一環でもあります。不況期には積極的なインフラ投資が雇用と所得の増加をもたらし、景気回復の起爆剤となります。特に地方自治体にとっては、土木工事が地域振興の切り札となることも少なくありません。


2. 雇用創出と関連産業の活性化

土木工事には多くの労働力が必要です。現場作業員、設計技術者、資材供給業者、運送業者など、直接・間接的に多様な職種が関与しています。工事が行われることで一時的な雇用が生まれるだけでなく、建設機械や資材の需要も高まり、関連産業にも波及効果が期待されます。


3. 地域経済の活性化と均衡ある発展

土木工事が地方で行われる場合、地域経済に対するインパクトは非常に大きくなります。地元企業の参加や地元資材の使用が奨励されることで、地域内での経済循環が促されます。また、交通インフラの整備によって物流効率が向上すれば、企業の進出や観光客の増加にもつながり、長期的な経済発展が期待できます。


4. 防災・減災と経済の安定性

日本は自然災害が多い国です。土木工事による堤防の整備、斜面崩壊の防止、地震対策の強化などは、災害による被害を最小限に抑えるために不可欠です。これにより、災害後の復旧にかかる経済的損失を軽減し、社会全体の安定性を確保する役割も果たします。


5. 持続可能な成長への転換

近年では、単なる経済効果に加えて環境への配慮や持続可能性が重視されるようになっています。グリーンインフラの導入、カーボンニュートラルな材料の使用、省エネルギー設計など、土木分野でも持続可能な成長に向けた取り組みが進められています。


土木工事は単なる「建設業」ではありません。それは経済の血流を支える動脈であり、社会の安定と発展を下支えする基盤でもあります。私たちの目に見えにくいところで、多くの経済的・社会的価値を生み出しているのです。今後も土木工事の役割を正しく理解し、その持つ力を最大限に活用することが求められます。

 

 

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第5回「多様化」

皆さんこんにちは!
堀建設株式会社、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~多様化~

 

「土木」と聞いてまず思い浮かぶのは、道路、橋、トンネル、ダム…。確かにそれらは土木工事の重要な柱です。しかし今や土木は、「社会のインフラをつくる仕事」から「未来の暮らしを支える多機能産業」へと進化しています。技術や社会の変化とともに、土木工事もまた、多様化の時代に入っているのです。


1. 環境と共生する土木へ

近年、環境意識の高まりとともに「自然と調和する土木」が求められるようになっています。

  • グリーンインフラの導入
    雨水浸透施設や都市型ビオトープなど、生態系や自然景観を活かした土木構造物が増加中。

  • 低炭素・省資源型施工
    再生材や透水性舗装、太陽光と連携したインフラなど、環境負荷を減らす設計が注目されています。


2. 防災・減災を支える土木の役割

日本は自然災害の多い国。地震、台風、豪雨といった災害に備える土木技術の多様化が進んでいます。

  • 流域治水や地下貯水施設の整備
    まち全体で水を分散させる「分散型防災」の仕組みが整備中。

  • 緊急対応型工事
    被災地での応急工事や復旧作業に対応できる柔軟な体制と、ドローン・AIを活用した現場把握が進化しています。


3. ICT・DXによるスマート化

「スマート土木」とも呼ばれるICT活用が急速に広がっています。

  • BIM/CIMによる3D設計・施工
    設計から管理までを3Dデータで一元化し、ミス削減と生産性向上を実現。

  • 自動化施工
    ICT建機や自動運転ダンプ、遠隔監視技術により、危険な現場作業を効率化。

  • 働き方改革の促進
    デジタルツールの活用により、若手や女性が参入しやすい環境も整いつつあります。


4. 地域の課題を解決する「社会土木」へ

土木工事は、地域社会の“課題解決の手段”としても重要です。

  • 空き地活用・まちづくり事業との連携
    公園整備や広場づくりを通じて、コミュニティ再生や観光振興に貢献。

  • バリアフリー土木
    高齢者や障がい者にもやさしい歩道整備や点字ブロック設置など、福祉との連携も。

  • 教育・体験の場としての土木
    子ども向け建設体験イベントや出前授業を行う企業も増えており、社会理解の促進にもつながっています。


5. 土木は「社会と未来のインフラ」

土木工事の多様化は、単なる作業内容の増加ではありません。防災、環境、教育、都市デザインといったあらゆる社会課題に向き合い、柔軟に変化していける“未来づくりの仕事”です。


かつて「土木=力仕事」というイメージが強かったかもしれません。しかし今、土木業界はクリエイティブで柔軟な発想が求められる分野へと進化しています。

インフラを支えながら、暮らしをデザインし、地域とつながり、未来を創る。そんな土木工事の多様化こそ、持続可能な社会を築くためのキーワードなのです。

 

 

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排水処理の基本:透水性舗装の仕組み

皆さんこんにちは!
堀建設株式会社、更新担当の岡です。

本日は「堀建設の技術豆知識」、今回は「排水処理の基本:透水性舗装の仕組み」をテーマに解説します。道路や駐車場、歩道などで雨水を適切に管理する技術は、豪雨時の浸水リスク軽減や地下水涵養(かんよう)に貢献し、環境負荷を抑制します。透水性舗装はその代表的な手法です。


1. 透水性舗装とは?

透水性舗装は、舗装材料に多数の空隙(すきま)を設け、雨水をそのまま地中に浸透させる舗装工法です。従来のアスファルト舗装では表面に滞留した雨水が側溝に流れ込み、大雨時には溢水の原因となる一方、透水性舗装は舗装と地下層で雨水を一時貯留し、ゆっくりと浸透・排水します。

  • メリット
    • 雨水が路面に溜まりにくく、スリップ事故やハイドロプレーニング現象を防止
    • 側溝・排水管の容量を超えにくく、内水氾濫リスクを低減
    • 地下水を涵養し、地下水位の維持や都市のヒートアイランド対策に寄与
  • デメリット
    • 目詰まり(ポア詰まり)による透水性低下リスク
    • 強度や耐久性が通常舗装より劣る場合があり、設計荷重に注意が必要

2. 仕組みと材料構成

透水性舗装は主に3層構造で構成されます。

  1. 表層(透水性アスファルト)
    • 粗骨材(砕石)をビチューメン(改質アスファルト)で接着し、空隙率を15〜20%程度確保
    • 空隙構造が連続的に貫通し、表面の雨水を下層へ透過
  2. 中層(透水性基層)
    • 砕石(20〜40mm程度)を締め固めずに敷き並べ、空隙率を30〜35%程度に
    • 雨水を一時的に貯留し、下部にゆっくり排水
  3. 下層(排水層/地盤)
    • 地盤の透水性を利用、または集水パイプ・透水層(砂利層)を敷設
    • 雨水を地中に浸透させ、自然排水または排水施設へ導く

各層の役割を正しく設計し、材料選定と施工精度を確保することが重要です。


3. 活用事例紹介

事例① 商業施設駐車場の水はけ改善
郊外の大型ショッピングモール駐車場で透水性舗装を採用。従来のアスファルト舗装では雨天時に水たまりが頻発していた場所が、一度の大雨でも駐車スペース全体に水が残らず、利用者満足度が向上しました。また、側溝掃除やポンプ排水の手間も大幅に削減されました。

事例② 公園散策路のヒートアイランド対策
都市公園内の散策路に透水性舗装と透水性インターロッキングを組み合わせ。地中に浸透した雨水が昼間の路面温度上昇を抑え、周辺緑地の蒸発冷却効果と相まって、夏季の歩道表面温度を最大5℃低減する効果が確認されました。


4. 設計・施工時のポイント

  • 空隙率の管理
    各層の目標空隙率を確実に達成するために、材料の粒度管理と締固め調整を行いましょう。
  • 目詰まり対策
    定期的な掃流水洗浄やバキューム洗浄により、路面目詰まりを防止。大気中の細粉や落葉が堆積しやすい場所は特に注意が必要です。
  • 荷重適用範囲の明確化
    車両通行量や荷重条件に応じて、透水性舗装版厚や基層構成を最適化。重交通路には合併舗装とのハイブリッド設計も検討。
  • 法令・指針の遵守
    建設技術審査証明(NETIS)や地方自治体の技術基準、雨水排水条例を確認し、設計図書へ反映することが必須です。

透水性舗装は、雨水管理と環境保全を両立させる持続可能なインフラ技術です。適切な設計・施工とメンテナンスにより、都市や施設の快適性と安全性を長期的に支えます。

以上、今回は「排水処理の基本:透水性舗装の仕組み」をご紹介しました!
次回は「大規模土留め工法の最新技術」をテーマに、擁壁を超える高耐力構造をご紹介します。どうぞお楽しみに!

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擁壁(ようへき)とは?種類と選び方

皆さんこんにちは!
堀建設株式会社、更新担当の那須です。

本日は「堀建設の技術豆知識」をお届けします。今回は「擁壁(ようへき)とは?種類と選び方」をテーマに、基礎から設計・施工のポイントまで詳しく解説します。


1. 擁壁の役割と必要性

擁壁は、道路沿いや造成地、宅地の斜面などで土砂の崩壊や地滑りを防ぐために設置される構造物です。適切に設置された擁壁は、次のような重要な役割を果たします。

  • 安全性の確保
    周辺地盤が安定し、斜面崩落や土砂流出のリスクを軽減することで、居住者や通行者の安全を守ります。
  • 土地利用の拡大
    傾斜地でも水平な造成が可能となり、住宅用地や駐車場、道路スペースを有効活用できます。
  • 維持管理コストの抑制
    適切な擁壁は長期にわたって地盤を支え、補修頻度を減らすことでランニングコストを削減します。

造成前には地形調査や将来的な地盤変動予測を含めた総合的な計画が不可欠です。


2. 主な擁壁の種類と特徴

堀建設では、多様な現場環境に対応する以下の擁壁工法を豊富に実績があります。

① 重力式擁壁

コンクリートや自然石などの自重で土圧に耐える、最も一般的な方式です。

  • 構造イメージ:厚みのある壁体と幅広の基礎(フーチング)で安定を確保
  • メリット
    • 設計がシンプルで施工管理が容易
    • 大量施工に向いており、コストパフォーマンスが高い
  • デメリット
    • 高さが増すほど壁厚と基礎幅が大きくなり、コストと掘削量が増加
    • 重厚感が強く、狭小地では施工が難しい場合がある

② 補強土擁壁(アンカー・グリッド工法)

内部にジオグリッドや金属アンカーを埋め込み、土と一体化させて強度を高める工法です。

  • 構造イメージ:土と補強材が一体化し、薄くても高い耐力を発揮
  • メリット
    • 壁厚が薄く、狭いスペースでも施工可能
    • 地震時や動的荷重に強く、軽量化にも貢献
  • デメリット
    • 材料費や施工管理コストがやや高い
    • アンカーの定着長さや張力管理に専門的な技術が必要

③ 張出し(コンソール)式擁壁

基礎に打ち込んだフーチングから張り出す形で壁体を支える構造です。

  • 構造イメージ:逆T字型フーチングの上に立ち上がり壁が載る形状
  • メリット
    • 壁体がスリムで美観に優れ、敷地の有効利用が可能
    • 重力式に比べて基礎掘削量を抑制できる
  • デメリット
    • 設計計算が複雑で、基礎工事の精度管理が厳格
    • 一部の地盤条件(例:真砂土)には不向きな場合がある

④ 無筋コンクリート擁壁(透水型)

コンクリートに透水性を持たせ、背面の水圧を緩和しつつ荷重を受け止める工法です。

  • 構造イメージ:透水性コンクリート製のパネルを積み重ね、背面に砂利層を設置
  • メリット
    • 排水設備を簡素化でき、メンテナンス性が高い
    • 自然石積みのような景観演出が可能
  • デメリット
    • 強度が低いため、高負荷の現場には適さない
    • 目詰まりによる透水性能の低下リスク

3. 擁壁選びのチェックポイント

最適な擁壁を選定するには、以下の要素を総合的に判断しましょう。

  1. 地盤・立地条件
    • 斜面勾配、地質(粘土質・砂質・礫混じりなど)、地下水位
    • 周辺地形や隣接構造物とのクリアランス
  2. 荷重条件・耐震性能
    • 土圧に加え、建物や車両の重量、地震時の土圧増加を考慮
    • 液状化リスクや積雪荷重など特殊荷重への対応
  3. コストとスケジュール
    • 初期施工費用、工期、重機・材料調達の可否
    • 将来的な点検・補修費用を含めたライフサイクルコスト
  4. 景観・周辺環境配慮
    • 地域の景観条例や近隣への見え方
    • 緑化可能な法面保護材や植生マットの併用

専門技術者による地盤調査と構造解析をもとに、これらの条件を満たす最適な工法と材料をご提案します。


4. 施工時の留意点とアフターケア

  • 排水設計:背面に透水管や排水層(砂利)を設け、雨水・地下水を速やかに排出し土圧を緩和
  • 施工精度管理:基礎打設時の転圧やコンクリート養生、アンカー張力管理を徹底
  • 法令・許認可:擁壁の高さや用途に応じて構造計算書の提出や許可申請を確実に実施
  • 点検・メンテナンス:定期的にクラック確認、排水機能チェック、アンカー張力の再調整を行う

施工後も長期にわたる安心を提供するため、堀建設ではアフターフォローも万全に行っています。


擁壁は暮らしや社会インフラを守る重要な構造物です。堀建設株式会社では、最新技術と豊富な実績を活かし、最適な擁壁設計・施工をワンストップでご提供します。

以上、今回は「擁壁とは?種類と選び方」をご紹介しました!
次回は「排水処理の基本:透水性舗装の仕組み」をテーマに、雨水管理と環境配慮を両立する技術をご紹介します。どうぞお楽しみに!

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第4回「未来インフラ素材探訪」

皆さんこんにちは!
堀建設株式会社、更新担当の岡です。

本日は新シリーズ第4回「未来インフラ素材探訪」!
今回は「スマートメンテナンスセンサー一体型コンクリート」について詳しくご紹介します。

「スマートメンテナンスセンサー一体型コンクリート」とは、コンクリート内部に耐久性に優れたセンサーを埋め込み、ひび割れや変形、温湿度変化などをリアルタイムで検知・記録する次世代のインフラ素材です。従来は外部からの目視点検やポータブル機器による測定が主流でしたが、内部センサー内蔵型なら、点検要員を減らしつつ、24時間365日の継続的モニタリングが可能になります。

  1. センサー一体型コンクリートの仕組み
    センサー一体型コンクリートは大きく2つの方式に分かれます。

① ファイバー光学式分布センサー(DOFS: Distributed Optical Fiber Sensor)

  • ガラス繊維ケーブルをコンクリート打設時に配筋やスラブ内に敷設し、レーザー光の位相変化からひずみや温度を高精度に計測。

  • メリット:長距離・広範囲で連続的に分布計測が可能。測定データはクラウドと連携し、AI解析で予兆保全に活用できる。

  • デメリット:光ファイバー折れや接続部の水密性確保が課題。

② MEMSマルチセンサーアレイ埋設型

  • 微小電気機械システム(MEMS)技術を用いた加速度・ひずみ・温湿度センサーをモジュール化し、モルタル層に埋設。ワイヤレスでデータ送信が可能。

  • メリット:個別故障時も他素子でカバーできる冗長性。バッテリーまたはエナジーハーベスティング(自己発電)で動作できる。

  • デメリット:無線通信環境の整備や電池寿命管理が必要。

  1. 活用事例紹介
    事例① 大規模橋梁の構造健全性モニタリング
    高速道路の長大橋にファイバー光学式センサーを敷設。季節変動による温度ひずみや通行車両の荷重による挙動を継続計測し、「ひずみの蓄積傾向」をAIが解析。重大トラブル予兆を数週間前に警告できるようになり、緊急点検回数を従来の半分以下に削減しました。

事例② 都市トンネル内の環境&応力監視
地下都市トンネルでMEMSアレイを埋設。排気ガスや湿気によるコンクリートの劣化指標(温湿度・CO₂)と、地盤変動による微小振動を同時にモニタリング。データは無線中継装置で管制センターへ送られ、換気運転や補修計画の最適化に役立っています。

  1. 導入時のポイントと課題
    センサー選定と配置計画
    対象構造物の規模や要監視ポイント(支点、継ぎ手、スラブ端部など)をもとに、DOFSかMEMSか、配置間隔や埋設深度を専門技術者と協議して決定しましょう。

通信インフラとデータ管理
現地での通信環境(光ファイバー敷設、無線中継局)を整備し、クラウド連携やデータベース設計を含むIT基盤の構築が必須。セキュリティ対策も念入りに行ってください。

長期耐久性試験とメンテナンス計画
センサーおよび埋設部材の耐久性を加速試験で検証し、データ劣化率を把握。異常時の交換プロセスや、定期メンテナンススケジュールを事前に策定しておくことが重要です。

センサー一体型コンクリートは、インフラの「見えない部分」を可視化し、予兆保全を高度化する革新的技術です。今後は5G/6G通信網やAI解析技術と連動し、スマートシティの基盤として一層の発展が期待されています。

以上、新シリーズ第4回「未来インフラ素材探訪」でした!
次回は「ナノテク強化繊維コンクリートの最前線」をテーマに、軽量化・高靱性を実現するナノ粒子強化素材をご紹介します。どうぞお楽しみに!

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第3回「未来インフラ素材探訪」

皆さんこんにちは!
堀建設株式会社、更新担当の岡です。

本日は新シリーズ第3回「未来インフラ素材探訪」!
今回は「自己発電コンクリートの可能性」について詳しくご紹介します。

「自己発電コンクリート」とは、構造体自身が外部からの振動・圧力・温度差などを利用して微小な電力を生み出し、その電力をセンシング機器や照明、防犯システムへ供給するコンクリートです。これにより、道路・橋梁・トンネルなどの維持管理コスト削減や、インフラのスマート化が期待されています。

  1. 自己発電コンクリートの仕組み
    自己発電機能を実現する方式は主に2つあります。

① 圧電素子埋め込み型
コンクリート内部に圧電材料(PZTやPVDFフィルム)を配置し、車両通過や歩行などの機械的振動を電力に変換。振動が加わるたびに圧電素子が歪み、そのエネルギーを微小電流として取り出します。

  • メリット:歩道や橋面など振動が継続的に発生する場所で安定発電

  • デメリット:高出力化には大面積の圧電配置が必要

② 熱電発電材料混合型
廃熱や地熱など温度差を利用する方式。セラミックス系熱電変換材料(Bi₂Te₃系など)を微粒子状に混ぜ込んだり、熱電素子をモジュール化して埋設します。昼夜や季節で温度差がある環境で、熱電効果により電力を生成します。

  • メリット:振動が少ないトンネル内壁でも発電可能

  • デメリット:温度差の大きさに発電量が依存

  1. 活用事例紹介
    事例① スマート歩道プロジェクト
    ある自治体では、圧電埋設型自己発電コンクリートを商店街の歩道に導入。歩行者や自転車の通過振動を利用し、街路灯や看板のLED照明へ電力供給を実証。夜間の電力を自給自足することに成功し、防犯カメラへの給電も可能になりました。

事例② トンネル内環境モニタリング
山間部トンネルの内壁に熱電発電混合型を施工。昼夜の温度差約10℃を利用して微小電力を生成し、壁面センサー(ひび割れ検知・湿度測定)へ連続給電。外部電源不要で24時間のモニタリング体制を構築し、維持管理の効率化を図っています。

  1. 導入時のポイントと課題
    発電量と設置コストのバランス
    発電性能を高めるほど材料・施工コストが増加します。目的に応じた発電量設計とコスト見積を事前に行い、費用対効果を明確化しましょう。

耐久性・長期安定性の検証
圧電素子や熱電材料は繰り返し荷重や温度サイクルにさらされるため、埋設前に加速試験で耐久性を評価。劣化率を把握し、メンテナンス周期を設定することが重要です。

電力マネジメントシステムの連携
発電した電力を無駄なく利用するため、超低消費電力のセンシング機器や電力貯蔵システム(小型コンデンサー・バッテリー)との統合が必要。スマートグリッド技術との相互接続も視野に入れましょう。

自己発電コンクリートは、メンテナンスフリーのスマートインフラ構築において欠かせない技術です。今後は、IoTやAIと組み合わせた予兆保全システムへの応用が広がるとともに、被災地の迅速なインフラ復旧にも役立つ可能性があります。未来の街づくりを支える一端として、ぜひご期待ください!

以上、新シリーズ第3回「未来インフラ素材探訪」でした!
次回は「スマートメンテナンスセンサー一体型コンクリート」をテーマに、内部埋設型センサーによるリアルタイム構造診断技術をご紹介します。どうぞお楽しみに!

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第2回「未来インフラ素材探訪」

皆さんこんにちは!
堀建設株式会社、更新担当の那須です。

本日は新シリーズ第2回「未来インフラ素材探訪」!
今回は「超伝導ケーブル」の仕組みと活用事例について詳しくご紹介します。

「超伝導ケーブル」とは、電気抵抗がゼロになる超伝導状態を利用し、大電流を損失なく送電できる次世代の送電素材です。従来の銅やアルミニウムケーブルでは送電ロスが避けられず、長距離送電や大容量化に課題がありました。しかし、超伝導ケーブルを用いれば、電力ロスをほぼゼロに抑え、送電効率を飛躍的に高めることが可能になります。

  1. 超伝導ケーブルの仕組み
    超伝導ケーブルには大きく分けて2つの方式があります。

① 低温超伝導方式(LTS)

  • ニオブチタン(NbTi)やニオブスズ(Nb₃Sn)などの合金を冷却材(液体ヘリウム)で約4K(−269℃)まで冷却し、超伝導状態を実現。

  • メリット:実績が豊富で信頼性が高い

  • デメリット:冷却設備のランニングコストが高い

② 高温超伝導方式(HTS)

  • 酸化物系セラミックス(YBCOなど)を液体窒素(77K/−196℃)で冷却し、比較的高温で超伝導状態に。

  • メリット:冷却コストが低減でき、メンテナンスが容易

  • デメリット:材料の製造コストが高く、脆弱性が課題

  1. 活用事例紹介
    事例① 都市間長距離送電プロジェクト
    ある大都市間を結ぶ送電実証実験では、HTSケーブルを採用。約50km区間で試験した結果、従来送電に比べて電力ロスを90%以上削減し、ピーク時の安定供給に成功しました。これにより、再生可能エネルギーの遠隔地導入が現実的に一歩前進しました。

事例② 超高電力データセンター内配線
大手データセンターでは、LTSケーブルを内部配線に導入。高密度サーバールームで発生する膨大な電力を損失なく供給できるため、空調負荷の低減と電力コスト削減を同時に達成。冷却システムとの連携で運用効率が大幅に向上しました。

  1. 導入時のポイントと課題
    適切な冷却方式の選定
    設置環境や運用コストを考慮し、LTSかHTSかを選択しましょう。都市部ではHTS、研究施設やデータセンターではLTSが適するケースが多いです。

冷却インフラの整備
冷却機器(冷凍機・タンク・配管)の設置スペースとメンテナンス計画を事前に検討。耐震・防火対策も忘れずに行いましょう。

長期信頼性評価
定期的な温度・電流監視センサーを導入し、超伝導状態の維持状況をリアルタイムで把握。トラブル発生時の迅速対応体制を構築することが重要です。

超伝導ケーブルは、電力インフラの脱炭素化と高効率化を同時に実現する革新的素材です。将来的には、スマートグリッドや海底ケーブル、宇宙エレベーターの送電にも応用が期待されています。未来のインフラを支える一翼として、超伝導技術をぜひご注目ください!

以上、新シリーズ第2回「未来インフラ素材探訪」でした!
次回は「自己発電コンクリートの可能性」をテーマに、振動や熱エネルギーを電力に変える最新素材をご紹介します。どうぞお楽しみに!

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堀建設株式会社では、一緒に最先端素材を活用する仲間を募集中です!
私たちが大切にしているのは、「好奇心」と「挑戦意欲」です。
詳しくは求人情報ページをご覧ください。皆さまのご応募を心よりお待ちしております!
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第1回「未来インフラ素材探訪」

皆さんこんにちは!
堀建設株式会社、更新担当の那須です。

本日は新シリーズ第1回「未来インフラ素材探訪」!
今回は「自己修復コンクリート」の仕組みと活用事例について詳しくご紹介します。

「自己修復コンクリート」とは、ひび割れが発生すると内部に含まれる特殊な微生物やポリマーが働いて、自ら傷をふさぐコンクリートのこと。従来の補修工事では、クラック(ひび割れ)を発見してから専門業者が現場に入り、注入や打ち換えを行う必要がありました。しかし、自己修復コンクリートなら、ひび割れが幅0.3mm以下であれば、自動的に修復が始まるため、維持管理コストの大幅削減が期待されています。


1. 自己修復コンクリートの仕組み

自己修復コンクリートには大きく分けて2つの方式があります。

① 微生物(バクテリア)利用型
コンクリート内部に「炭酸カルシウムを生成するバクテリア」と「栄養塩(乳糖など)」を混ぜ込みます。ひび割れが発生し、外部から水分が侵入すると、バクテリアが栄養塩を代謝して炭酸カルシウムを生成。この生成物がクラックをふさいでくれる仕組みです。

  • メリット:低コストで長期的に効果が持続

  • デメリット:バクテリアの活性条件(温度・pH)が限られる

② ポリマーカプセル封入型
ひび割れが生じると同時に破壊される微小カプセル内に、液状のポリマー(エポキシ樹脂など)を封入。クラックとともにカプセルが破れ、樹脂が流れ出してひび割れ内部に充填・硬化し、補修します。

  • メリット:幅広い環境下で安定した修復性能

  • デメリット:材料コストがやや高め


2. 活用事例紹介

事例① 高速道路橋脚の耐久性向上
ある高速道路の橋脚補強工事では、微生物利用型自己修復コンクリートを採用。施工から3年後に実施した点検では、ひび割れのうち約85%が自然修復されており、定期補修の頻度を従来比で半減できました。

事例② トンネル内壁の長寿命化
山岳トンネルの内壁にポリマーカプセル型を導入。湿潤環境でも安定的にひび割れをふさぎ、漏水リスクを低減。トンネル全長の維持管理コストを年間約20%削減する効果が得られています。


3. 導入時のポイントと課題

  1. 適切な方式の選定
    現場環境(温度・湿度・pH)や予算に応じて、微生物型かポリマー型かを選択しましょう。

  2. 配合設計の最適化
    コンクリート強度や耐久性を確保しつつ、自己修復機能を発揮できる配合比を専門技術者と協議して決定します。

  3. 試験施工による検証
    本施工前に小規模な試験打設を行い、修復速度や補修後の強度を確認することが重要です。

  4. 長期モニタリング計画
    センサーや定期点検でひび割れの発生・修復状況を把握し、効果をデータで評価しましょう。


自己修復コンクリートは、今後のインフラ長寿命化に大きく貢献する素材です。ひび割れを放置せず、自動的にメンテナンスできる未来のインフラを、ぜひ一緒に支えていきましょう!

以上、新シリーズ第1回「未来インフラ素材探訪」でした!
次回は「超軽量複合材の可能性」をテーマに、軽量化と高強度を両立する最新素材をご紹介します。どうぞお楽しみに!

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第10回土木工事雑学講座

皆さんこんにちは!
堀建設株式会社、更新担当の那須です。

 

本日は第10回土木工事雑学講座!

今回は、土木工事のこれからについてです。

 

土木工事と聞くと、道路や橋を作る現場を思い浮かべる方も多いかもしれません。

でも実は今、この分野はすごいスピードで進化していて、未来に向けてどんどん新しい可能性が広がっているんです!

 

今回は、「これからの土木工事ってどうなっていくの?」という視点から、環境への配慮や最新テクノロジー、グローバル展開、そして次の世代への継承など、注目のトピックをわかりやすくご紹介します!

 

◆ 環境と共存する工事へ
これからの土木工事は、自然と調和しながら行うのが当たり前に。たとえば、太陽光発電を活用してエネルギーをまかなう工事現場や、大気中の二酸化炭素を吸収する特殊なコンクリートの利用など、環境に優しい技術が次々に登場しています。自然を守りながらインフラを整える時代が、すぐそこまで来ています!

 

◆ グローバルな視点で広がるチャンス
日本の土木技術は、実は世界でも高く評価されています。今後ますます需要が高まる海外のインフラ整備の現場では、日本の技術者たちが活躍するチャンスもたくさん!国内だけにとどまらず、グローバルな舞台で技術やノウハウを活かす時代がやってきています。

 

◆ 若い世代へ、技術をしっかりバトンタッチ
土木の現場では、ベテランの知識や経験をどう次の世代に伝えていくかが重要な課題になっています。そこで今注目されているのが、VRやオンライン教材を使った技術伝承。ゲーム感覚でリアルな現場を学べるツールなども登場していて、若い人たちにも親しみやすくなっています!

 

◆ AIとロボットで、もっと安全・効率的に!
AIやロボットの導入によって、危険な作業や繰り返しの作業を機械が担ってくれるようになりつつあります。これにより、作業の安全性はもちろん、スピードや精度もアップ!人とテクノロジーが一緒に働く未来の現場は、ますますスマートになっていきます。

 

 

土木工事は、私たちの暮らしを支える大切な仕事。

そしてこれからは、環境を守り、世界とつながり、次の世代へとつなげていく、大きな可能性を秘めた分野です。
未来の土木の姿を、ぜひ一緒にワクワクしながら見つめていきましょう!

 

以上、第10回土木工事雑学講座でした!

次回の更新もお楽しみに!

 

堀建設株式会社では、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!

私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。

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